共有不動産の賃貸借について①
共有している不動産を賃貸にする場合、どんなことに注意すればよいでしょうか?
共有者全員の同意が必要でしょうか?それとも持ち分の過半数の同意があればいいのでしょうか?
令和3年の民法改正で明確化されたので紹介したいと思います。
不動産が複数人の共有となっていることは、共同相続の場合など、よくあることです。そして、その不動産の利活用として一般の賃貸に出し、収益を得ることもあるかと思います。
共有物の管理につき、民法では広義の管理を共有物の変更・(狭義の)管理・保存行為の3つに分け、それぞれに異なる決定方法を定めています。
・共有物の変更 →全員の同意が必要
・共有物の(狭義の)管理 →持ち分の過半数で決定
・共有物の保存 →各共有者単独の判断で可能
3つのうち保存行為は共有物の現状を維持する行為として行う行為です。除草や掃除、破損部分の補修などがそれに該当し、比較的判断が容易です。
これに対し、変更は共有物を物理的に変化させる行為、狭義の管理は共有物を利用改良する行為とされますが、両者の区別は、より微妙です。
例えば共有建物の賃貸借は、共有物を収益物件として利用する行為であると同時に賃借人に対して賃借権を設定するという法律上の処分を行う行為としての性質も持っています。この賃貸借を締結する行為は管理なのでしょうか?変更なのでしょうか?(過半数なのか全員の同意が必要なのか?)
次回へ続く・・・・
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